昭和40年には82.3パーセントだった成人男性の喫煙率は、それから50年以上が経過した平成29年には28.2パーセントにまで低下しています。
これは、発がん物質のタールをはじめとして健康に深刻な悪影響を及ぼす有害物質がタバコの煙に含まれていることが周知されたためで、現在では学校や病院、電車やバスの車内や駅のホームなど公共施設の大部分は終日禁煙を実施しています。

また、歩きタバコを禁止している地方自治体も増加しており、違反した場合は罰金を徴収されるなど行政処分の対象となります。
さらに、マンションのベランダでタバコを吸っていたところ、上の階の住民から訴えられてしまい、慰謝料5万円の支払いが命じられるという判決が確定しています。
このように、喫煙者にとってはかなり肩身の狭い状況となっていますが、タバコを止めるのは簡単ではありません。何故なら、タバコを止めると禁断症状に見舞われるからです。
これは、タバコに含まれている物質のアセチルコリン受容体に対しての作用によるもので、吸った直後は快楽物質のドパミンが分泌されるために快い状態になるのですが、不足すると不快物質のノルアドレナリンが分泌されるので、不愉快でイライラとした精神状態になってしまうためです。
これは、アセチルコリン受容体に作用する物質が体外に完全に排出されるまで継続するので、ほとんどの人は我慢できなくなりタバコに火をつけるという結果となります。これが、禁煙が上手くいかない理由で、精神力だけで乗り越えるのは極めて困難です。

内服薬ただし、現在では禁煙を効果的にサポートするためにチャンピックスという内服薬が開発されており、専門外来を設置している病院で処方されています。
チャンピックスは12週間服用プログラムがおすすめです。このチャンピックスを治療期間として規定している12週間使用した場合の禁煙成功率は約90パーセントという高確率で、これまでにどうしても止められなかったという人でも禁煙に成功することは十分可能です。
ちなみに、治療期間としている12週間が経過するまでの間は健康保険が適用されるので、金銭的な負担もそれほど大きくありません。

チャンピックスの作用について

約50パーセントという高確率で禁煙に成功できるチャンピックスは、2013年に世界の医薬品売上高でナンバーワンを記録したアメリカの製薬メーカーファイバーが提供している内服薬です。
日本では、2008年の1月に承認され、同年の5月から販売されています。その効果に関しては世界でも広く知られており、現在では100以上の国で2400万人以上の人に処方されています。
ちなみに、チャンピックスの作用機序は、アセチルコリン受容体に結合して、ドパミンを少量だけ分泌するという内容です。これにより、タバコを吸わなくても苦しくなりません。
また、チャンピックスを服用中にタバコを吸ってもアセチルコリン受容体は既に占有されているので、これ以上ドパミンが分泌されることはありません。
つまり、チャンピックスを服用中にタバコを吸っても満足感を得られないということです。このために、タバコを吸わなくても苦しくならないうえに、吸う必要性も感じなくなるので、自然に離れることが出来ます。
これを身体に覚え込ませるために、最初の1週間はタバコを吸っても良いとされています。

これにより、タバコを吸っても満足感が得られないということを明確に認識できるので、2週目からの完全禁煙をスムーズに開始することが出来ます。そして、これを11週間続けることにより、めでたく禁煙成功という結果となります。
なお、チャンピックスにかかる費用は12週間で3割負担の場合は、2万円~2万5千円程度です。
ただし、失敗した場合は1年間が経過するまでは健康保険が適用されることはありません。この場合は、全額負担となるので6万5千円~7万円が必要となります。
なお、このような時には連続してチャレンジするよりも個人輸入代行業者を利用するという方法がお得です。個人輸入代行業者により値段は違いますが、保険診療で処方されるのと同程度の値段で購入することが出来ます。